好きだから好き – 1


こんにちは、ロロイです。

みなさん好きものってありますよね。なんで好きなのかな?って突き詰めていくと「好きだから好き」ってなると思います。そう、ばかばかしいかもしれないけど好きなんだからしょうがないじゃん、みたいなのってあると思うんですね。
私は色んな人の好きなものに興味があるので今まであれこれ色んな人に伺ってきたんですが、それをまとめてみたいと思う様になりました。匿名でややフィクションを混ぜておりますが基本的に実際に伺ったお話がベースとなっております。この場を借りてご協力頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。

今回は4エピソードご紹介させて頂きます。

では、是非ご覧くださいまし。


1.『まるいものが好き』

無印とかで売ってるまるっこいソファとかクッションが好きであれは中に細かいビーズが入っているのでさらさらしてる訳だけど全体のフォルムがまるっこいので、まるっこいものが好きな私は一気に心を奪われてしまった。友達の家で見かけてすぐに一つ購入し、顔をうずめたりもたれたり抱き締めたりしたがどこか満たされなかったのでボーナスでいくつも買ってしまった。

 
そして洋服収納スペースの二畳にも満たない部屋にそれらを敷き詰めてみた。そしてその複数の柔らかい丸たちに埋もれてみると言い様も無い多幸感を得る事ができたので今では睡眠はおろか自宅でゆったりする時はいつもその丸みを帯びまくった部屋で過ごすようになった。壁や天井には、最初はカラフルなボールが敷き詰められた写真等を貼っていたがその内実際にボール等を切り貼りしてどこをみてももこもこな空間にしてみた。

好きなタイプを聞かれたらカービィとかって答えるけどいまだかつて共感を得られた事がないのでさみしい。

しかしながら満足できる部屋を得るという達成感を得ると共になんでここまでまるっこさを追求せねばならんのだと冷静になる時もあるがそれでもまどろみの中でそこらじゅうに丸みを帯びたカーブがある空間というのは何物にも代えがたい価値があり、かつ一歩自宅を出ると全てがまっすぐ四角で構成されているので気が狂いそうになる。

 


 

2.『アイスが好き』

単なる収集癖といってもいいのだけどアイスの包装紙や棒を集めるのが趣味できっかけは子どもの頃に食べた当たりつきのアイスのわくわく感からだと思う。大学生になってバイト代が入ると身近で手に入らなければ地方に行ったり、ネットで同好の士がいれば交換(じきに、自分で手に入れないと意味が無いと気づく)したりするようになった。

当時交際していた人に「食べ残ったものを保管しているのは不衛生である」と嫌がられた事もあり清潔な洗浄/保管方法も身につけた(それでも押入れに何十何百というそれらが保管してあるシュールさに耐えられないと言われた事もある)。昆虫採集の標本じゃないけれどクリアファイルに収められたパッケージたちを見返すと胸がすっとして手を止める事はできなかった。

その内に目新しさを求めて海外を巡り歩く様にもなった。出来るだけ費用を抑える為に薄汚い恰好で安宿を泊まり歩き国から国へと渡っていくので東南アジアで隣国に入る際に持ち物検査にてぐるぐる巻きにして保存してあるアイスの包み紙の中に麻薬を隠し持っているのではないかと疑われ泣く泣く処分せざるを得ないという事もあった。

社会人になって時間が拘束されるようになると一刻も早くまだ見ぬアイスに出会いたい衝動が抑えきれなくて仕方がないので最近ではツアコンに転職しようかと考えている。

 


 

3.『靴のベロ直しが好き』

スポーツ靴のあのベロの部分が外にずれていくのが本当に嫌で、固定する為に丸めた新聞紙を突っ込んでおいて固定させてしばらく寝かせるとか自分で固定するための紐を通す穴を開けたりなどする事で自分用のベロはなんとかずれないようにできるようになったが問題は他人の靴を見てずれてたりするとそれももやもやしてしまう事だ。

 
毎朝の通勤で駅に向かう際、駅手前の信号機は変わるのが長く大勢が信号待ちをしている。同時刻発の電車に乗る人たちなので自然と顔を知っているメンバーたちになる。その中に三人の男子高校生と思しきメンバーがおりみな揃ってスポーツ靴を履いているのだ。そして全員が全員ベロがずれにずれているのだ。

それを毎日見ている私は耐え難く一度はあえて三人の目の前でスポーツ靴のベロを大げさに直すそぶりを見せて気づかせようとしたり(会社に行くのにわざわざスポーツ靴を用意した。結果的に三人は「ああ~ベロずれるんだよなァ」と話をしていたが気にも留めていなかった)、電話がかかってきたふりをして通話相手と話している風に「靴のベロがずれた?なあに固定させるのは簡単さ」と頼れる兄貴を装って向こうから声をかけてくるのを待ったりしたが無駄だった。

なのである日思い切って三人に「靴のベロを直させてくれやしないか」と頼み込んだ。三人は動揺しつつも私に靴を差し出し、部活で使う靴を履いて学校に向かった。うきうきの私はその日は有給を取って自宅でじっくりベロ直しを楽しんだのだったが次の日、駅で警官に呼び止められ「青少年に声をかける怪しい中年ホモ」としての疑いをかけられ、署で事情を説明する為に再び有給を取る事になった。

 


 

4.『少女漫画が好き』

それなりの見た目と友人関係に恵まれたこともあり、それなりに言い寄ってくる彼女ができてそれなりに特に劣等感を感じないでそれなりに努力もさほどせずに過ごしてきたのだけど、裏を返すと大した達成感みたいのも無い訳なので「なんか…こんなもんなの?」としか思えない。ドラマがそこには無い。淡々となんとなくまあ普通以上かなという相手が苦労なくいて、じゃあ遊ぼうかじゃあ付き合おうかじゃあそろそろお別れしましょうかというのが続いてきたのでもしかして恋愛経験というものを本質的にこなしてこなかった感がある。

その反動というか穴埋めと言うか時間があると漫画喫茶に行って少女漫画を読み漁ってはきらきらした思春期のムードと展開に触れ、時に泣き、時に胸をときめかしている。好きな漫画のリストだけではなくどのページのどのセリフがめちゃきゅんとするかのリストもevernoteに格納して電車に乗っている時に見返してきゅんとしてる。ずっと好きだったのに想いを伝えきれなくて…みたいなのが最高に良い。

先日知り合ったちょっと良いかなって思ってる人に思い切って「少女漫画読んできゅんきゅんしてる」と言ったらロリコンなの?無理と引かれたり、また別の人には「精神的に未熟なんだね」と見下されたりして違うそういうんじゃなくて…って思っていたのだけど今では分かってくれる人がいてツイッターで知り合った五十代のおじさんである。お互い好きな漫画とかの単語に反応してそのセリフとかにも反応して一度飯行きましょうかとなって話したら完全に同じ心持ちの人だった。

その人とは定期的に読書会と称して会っておすすめの漫画やこのセリフめちゃきゅんなんだけどという話をしているが決して我々はホモではない。ホモではないのだがなぜだかキスをしてしまいたい気持ちが少しだけあり、前に聞いたらおじさんもそういう気持ちがあると言っていたのは事実である。

 


 

今回は以上です。冗談みたいなお話ですがこう..どうしようもなく駆り立てられる感情に人はこうも抗えないものなのかという「抗えなさ」がにじみ出ていると思います。だめだ、だめだってば、といいつつ流されていく時のこう、なんて言ったらいいんでしょう、ちょっと違うんですが””旅情””と言いますか…ずっと来たい来たいって思ってたけど本当に来ちゃった…みたいな旅の一シーンと言いますか、もうこれは恋と言ってもいい気がしますけど、恋って..なに..?みたいな気持ちもある私なのでまだ答えが見いだせておりませぬ。

ともあれ次回以降さらに探究していきたいと思います。ではかしこ。