onettさん-喫茶 むぎ子の部屋 第5回


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喫茶むぎ子の部屋はインターネット上にある小さな喫茶室です。毎回ゲストをお呼びしていろいろなお話をしていきます。5回目のゲストは0nettさんをお招きしました。ママ・むぎ子はOnettさんの楽曲のサウンドクラウドのアイコンを描いたり、アルバムのジャケ絵をやらせていただくなどのご縁を持たせて頂いてます。どうぞよろしくお願いします。
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天才オネットの世界

——— まずは自己紹介してください!

Onett(以下O): 全国のco-out maniaの皆様、こんばんは。オネットです。埼玉県からきました。一人で音楽つくってます。今日はね、ちょっとどこまで話せるかわかりませんがね、エグいこと話していくんでひとつどうぞよろしく…

むぎちゃんとはね、実際に何度か会っててまぁ気の許せる数少ないインターネットのダチなんで、同い年だし。たぶん俺の知られざる一面が晒されることもあるかと思いますが、元々この人はそういう人なんだって思いながら俺の音楽なりなんなりをね、楽しんでいただければ幸いです。

——— ピチカートマニアの皆さんこんばんは。小西康陽です。

O: ほらすぐ元ネタわかっちゃう!将来の夢はクラブ33の会員になることです。

——— クラブ33ってなんですか?

O: クラブ33というのは東京ディズニーランドにある会員制クラブのことですね。ディズニーランドはお酒の販売をしていないんですが園内で唯一、お酒を飲むことのできる場所で日中は閉まっている秘密のレストランのことなんです。

——— ほえ〜〜(今インターネッツで調べました)

O: どうやったら会員になれるかは色々な噂がありますが、人生をかけてそれに近づいていきたいですね。

——— 食べログあるんですね…成功者のステータスって感じですね

O: そうなんです、富と知略がなければたどり着けないのでなんもないおれみたいな人はいかにオリエンタルランドの関係者とコネをつくっていくかが鍵となりますね。

——— さっそくオネットさんの知られざる俗っぽい一面が明らかに…

O: 純粋にね、昔からディズニーが大好きでホームビデオ擦りきれるまで見ていましたからね。日本語版のエンディング曲や日本語吹替の声優を担当すればきっと入れるんじゃないか?ってずっと思ってて、V6のマーサ坂本や、アナ雪でオラフを演じたピエール瀧もクラブ33に出入りしてるんじゃないかって想像すると悔しくてね…俺のほうがディズニーには百倍憧れがあるのに…

——— へえ、じゃあそれくらい憧れの場所なんですね。あぁ〜でもオネットさんの曲からディズニー的なキラキラ感を感じること多いです!

O: 影響はあるかもしれません。よくグロッケンやストリングスを曲に入れることが多いんですが、その旋律はディズニー映画の音楽を参考にしてますね。

——— いいですね。ディズニー的な過剰なロマンチシズムみたいなの。ディズニー映画のエンディングみたいな〜(By小沢健二)ですね

O: そうですね。ディズニーに限らず、極端にエンタメを感じる音楽に惹かれることが多いですね。

——— 『三井のために』が一番ディズニー感じます

メアリー・ブレアって言ってるからかな

O: 『三井のために』はたしかにそうですね。メアリー・ブレアやロジャー・ラビットなどメルヘンだったりカートゥーン的なワードが散りばめられているからかもしれないですね。

——— 『三井のために』一番好きかもしれないですね〜

O: ありがとうございます。むぎちゃんからオネットの曲に関してこれが良いとかってあんまり聞いたことあったようななかったような感じなので今知れて嬉しいっす。

——— そうですか。でも、一番は難しいですからね

でも、アルバムで言ったらやはり『天才オネットの世界』が一番好きですから!

で、『三井のために』は、アルバムの中で割と核になっている曲かなあと、わたしはそう解釈していました

O: 『三井のために』はつくってるときの思い出がなんにもなかったので特にエピソードがないんですよね。でもその『天才オネットの世界』というアルバムはファンタジーポップな曲が多いんですが、元々そういう曲調ってオネットはやったことなくて、はじめてそこに手を出したのが『三井のために』なんです。あのアルバムでいちばん古い曲なんですよね。まだパソコンでの録音に慣れてないから音がめちゃくちゃ汚い(笑)。

あのアルバムの基軸は間違いなく『三井のために』ですね。

——— へええ!

O: むぎちゃん作のジャケットも『三井のために』の世界に触れている気がします

——— そうなんですよね〜『三井のために』のイメージで作っちゃいましたね

アレですね。オネットさんから最初デモもらって、それで絵を考えたんですけど、曲順とかその時はまだ決まってなかったかと思うんですが、『三井のために』と『Happy Rebirthday』の二曲が特にこのアルバムのイメージとして大きく残って、それで描いた気がします

もう結構その時どう考えてたか忘れましたが(笑)

だから、アルバムできてきて、この二曲が並んでるの、すごくいいな〜って!

O: あの絵を見たとき「キタ!キタ!」ってなりましたからね。

——— ほんとにー!?うれしい!!

O: 花束持って駆け抜けるボーイとそれを見上げる猫、過剰なパステル色の町とね、もう見ててこれから素敵なストーリーが始まるとしか思えない絵でしたからね。時を超えて精神世界をさすらって自分の本当に見たいものを見つけだすという映画のような壮大な物語がね。

曲順は簡単に言えばリスナーを一聴で驚かせたい順番に並べたんですけど、偶然にも曲のイメージがつながってるんですよね、それは自分もびっくりしました

——— あの曲順は割と完璧な気がしますね

自分語りになってしまいますが、『天才オネットの世界』の絵を考えていた時、同時進行でアリスの絵をやっていて(むぎ子の部屋一回目ゲストの結崎剛さんと作っている『不思議の国のアリス』の挿絵)、それでどちらが先かとかもう忘れましたけど、アリスの世界と、『三井のために』の世界がいろいろ作用しながら、結局あの形に落ち着いた気がします

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O: メアリー・ブレアがここでもリンクしてるとは!!

——— そうそう。メアリー・ブレアでつながってたんですよ〜あの時!

今、その時描いていたラフ絵を見返すと、『天才オネットの世界』のあの繁華街っぽいごちゃっとした背景をバックにショートカットの女の子がこちらを見て立っている絵があります。この絵に出てくる女の子が結局アリスになって、背景が『天才オネットの世界』のものになったんだな、って今気づきました(笑)

O: へぇ~!

——— そう〜だから、あの絵描くのは楽しかったですね。結構悩みましたけど

O: あの繁華街の背景はなにか参考にしたものはあるんですか?西洋の街ではないですよね

——— あの繁華街は適当にネットで探した気がします

でもうまい具合に映画館があって〜みたいなのはなかったからその辺は脚色ですかね。でも日本の繁華街でしたよ

O: あの繁華街の雰囲気が好きなんです。俺には新宿か浅草っぽさがあるって思ってまして(新宿と浅草じゃだいぶ雰囲気違いますけど)、グラスゴーやパリにある繁華街の感じだったらちょっと違ってたかもしれません

——— わたしは外国には行ったことがないので海外の繁華街はイメージつかないですね。日本の繁華街が好きなんです。赤ちょうちんが並ぶ昔ながらの飲み屋街やスナック街もいいですし、ネオンきらめく風俗街とか、ラブホテル街とかも好きです。あの絵は、丸い街灯が気に入ってますね

O: あの丸い街灯、昭和感ありますよね。あと道の細くて入りくんでそうな感じは天満っぽい

——— 街灯、好きなんですよね。丸いのは昭和っぽさありますよね。ぼんぼりって感じもして、なんだろうなんかギラついてるのに呑気さもあったりして…。天満もだいぶごちゃごちゃしてますからね〜。

ごちゃごちゃした街が好きなんですよね。でも、もっとごちゃっと感だして、構図も凝った感じにしたかったのに技術がなくてそこまでできませんでした。。そこはちょっと今でも心残りですね…

オネットの曲のごちゃっと感というか、過多な感じも好きなんですよ。なので、そういうのを表したかったという意図もあります。

O: 酔っぱらいがスーダラ節歌ってるような呑気さがありますね。そのゴチャゴチャの中には色んなカルチャーが集まってる感じがあって、でも夢の中の世界みたいに無機質で不思議なんですよね、あの絵はそこが好きです。

 

——— オネットさんは最初に曲を作ってみようと思ったきっかけは何かあったんですか?

O: 覚えてないですね、気づいたら子供の頃から鼻唄で自分だけの曲をつくってましたので

——— へ〜!でも、小さい頃、オリジナルの曲を作るっていうのは割とだれでもやりますよね。それをずっと続けてる感じですか

O: そうです、その延長です。ギターとかピアノとか演奏できる楽器や録音機材が増えるたびにやれることが増えてきただけです

——— もう、まさにライフワークって感じですね

O: でもやっぱ恥ずかしいですね、自分で曲つくって歌って発表するって、結構イヤ~な行為だなと思ってます

——— 端的に言って“ヤバイ”行為ですよね…まあ、漫画描くのも同じようなものですけど…でも、身体性が伴うじゃないですか。歌うにしても、楽器演奏するにしても。漫画描くくらいしかできない人間からしてみるともうまじ「どうなっちゃってんだよ!?」状態ですよ

O: そうですね…自分の音楽自体は素晴らしいなぁって自画自賛してんすよ。そもそもこんなに曲つくるようになったのもこういう音楽が世の中にあったら聴きたいなっていうあくまでもリスナーの感覚でいて、それをdigるよりも自分でつくっちゃったほうが早いという思いからなんですね。

でも、音楽に自分が介入するのはヤバイ!

——— (笑)。

O: だから、より多くの人にこんな良い音楽があるんだぜって聴いてもらいたいという思いはもちろんありますけど自分の存在や名前は有名になりたくないですね、売れたくない!友達もほしくない(笑)いらない!

——— (笑)。いや、もう割りとMAXで自分を信じていないとできない行為のように思えるんですよね。それができない人間からすると。

O: そうですかね~

——— その辺りアンビバレンツな思いがありそうですね。

O: そうですね、そこらへんはジレンマ感じながらやってます。でもそう思ってる人、俺だけじゃないなって思いますね

——— 「自分のまんがちょーおもしろい!最高!」って気持ちと「もうやだ!自分キモい!」って気持ちのせめぎあいみたいなのは、ありますね…。

まあでも、ある程度自分好きじゃないと自分の作ったものを世の中に発表なんてできないですよね。菊地成孔はSNSによってナルシシズムのあり方が変容し、一億総ナルシスト、一億総批評家、あるいは一億総アーティストの時代になったみたいなことよく言ってますが

O: 作品を発表してる人も自撮りもツイキャスもニュースに対して意見をいう人もそうですけどナルシストな一方でやっぱり人見知りでネガティヴな方って多いですよ。それも含めての自己愛なんでしょうけど、現代的な意味合いでナルシストって言っちゃうとかわいそうな気もする人もいますね

——— そうですね。「ナルシスト」って言葉はあまりにも一側面をとらえた(とらえた気になった)いじわるなカテゴライズですね。個々人をみていくと、色々ありますよね。

 

———音楽以外の表現でもやってみたいと思いますか?

O:今はないですね。音楽しかつくることができないと思ってるので。

今の自分と同じくらいの世代のミュージシャンが自分でプロモーションする素材を作ったり、宣伝に色んなツールを使えたり出来るの本当にうらやましいです

——— 器用にいろいろやる人も多いですよね

いやでも、「それしかない」の人は強いですよ。やっぱり。欲張らないほうがいいですよ

O: そうですね、う~んでもやっぱりプロレベルのPVとか自分でつくったり流通の方法も凝ったりしてる人いると今はマルチな才能が必要なのかなってちょっと思っちゃいますね

なんか悩み相談っぽくなってる!

——— 悩み相談!ちょ〜ウェルカム!まあ、マルチな才能、あるに越したことないですけどね〜どうせ美大出身とかだろ!?

O: おぉ!ぶっこみますね!(笑)いいぞいいぞ!

——— 器用にそれなりにきれいなものさらっと作っちゃうの面白くないですよ。器用貧乏って感じ

まあ、わりとわたしが器用貧乏なタチなので…。クオリティは高くないですが。特に得することもないですし…。広く浅くいろいろやるよりも、一つ強いものを持っている人がわたしはうらやましいんですよね。ないものねだりですよね。結局。

O: まぁ俺も出来ないものは出来ないって言えるので自分が末っ子気質なところもあるんですけど、色んな人にデザインやらなにやらを手伝ってくれませんかとすんなりお願いできて捗る部分はありますけどね(笑)

適材適所と言いますか、デザインも流通もそれに適した方にお任せするほうが自分は音楽に専念できるので(笑)

——— そうです!適材適所!もちはもち屋!得意な人にやらせたらいいんですよ。必要なスキルは友達を作る能力ですかねむしろ

O: なるほどですね~!友達を作る能力…ウワー!!

——— ウッ…頭が…!

O: 話変えましょうよ

——— はい

 

大人になれば

——— 将来のこととか考えますか?

O: 将来のことは怖いのであんまり考えないですけど目をつぶってても見えてくるものありますね

——— わたしも、もうちょっと若いころは先のことなんて考えたってしかたないって思ってましたけど、否応なしに考えさせられるみたいなところありますね

O: 将来のこと、良いビジョンは見えてますか?

——— やっぱり、それなりにしあわせになりたいな―みたいな欲はありますね

O: うん

——— 20年後とかになってくるともう全然予想できないですけど、少なくとも向こう10年はやっていけるようなプランは立ててる…つもり…まあ、それなりにやっていけるんじゃないかな、くらいの感じですね。欲張らない!

O: しあわせがなんなのか、によりますね。

——— そうですね。高望みすれば、それなりに頑張らないといけないとは思いますが。大学生のころとか、大学卒業してからフリーターやってた時期は今がたのしければそれでいいやっていう絵に描いたような享楽的な若者でしたね。その頃に比べると今はもうちょっと保身というか、安定を求めるようになりました

O: そのフリーターの頃のむぎちゃんが今の俺なのかもしれない…

——— そうなんですか!でもちゃんと働いているし、意外と(失礼)社会性もあるし!

O: まわりの人に恵まれてるんでしょうね。自分は空っぽです。今がよければオッケーって感じなんですけど、最近はどこかでそれは難しいなって思ってるところなんです。

——— それはすごく難しいですね。わたしが今がよければオッケーって思えてたのはやっぱりその時は若かったからなんですよね。でも、もう若くないし、周りのみんなもまっとうに働いてるし、ってなって…

何を中心に据えるか、ですよね。あと、今後のライフプラン

O: そうですね~そこですね、もし今はそのつもりはないんですが俺にも家族ができることがあったら、家族が中心になるのでこのままだと絶対やばいってなります。家族を食わせていかなきゃなりませんから。バンドは活動ペースは減りますがやりますけど。

まだ甘えてるんですよね、まわりの男が仕事辞めたり、独身なやつも多いからまだ大丈夫だろって。まだ自分が若いって思ってるんです。

——— わたしは、男性は女性と比べて3年くらい遅れて歳をとるっていう持論を唱えています。

O: じゃあ俺ももう少しですかね

——— そうですね。気持ちが迷ってるってことはまだそのタイミングじゃないってことかもしれないですし

オネットさんにとって「大人になる」ってどういうことですか

O: ほほぉ~これはまた哲学的な…

——— いやいや、シンプルな問いなので…。難しく考えないで下さい!

O: 大人は…自分一人じゃなれませんよね。大人になる、というよりは大人は色んなの人の協力のもとならせていただくものだと思ってます

——— なんかめっちゃ大人な回答じゃないですか…

O: 大人、すごくなりたいですね

——— 今の自分は大人じゃないですか

O: いえ、選挙は行けますが精神的には子供だと思いますね

——— というのもですね、Twitterとか、あとまあ曲とかから受けるオネットさんのイメージって少年性とか、無垢さ、みたいなものだと思うんですよね。この対談の中でもしばしば伝わっていると思うんですが。さっき、社会性あるのが意外ってわたしが言ったのも、そういうイメージを受けてのものだったんですが。そういう部分、自覚はないですか?(笑)

O: 子供っぽさ、あると思いますよ。でもそれはずっと自覚してなくて。最初はむしろ大人だと思ってて。

あれは数年前に渋谷のo-nestってとこでライブしたときなんですけど、トリだったんで出番前に僕はずっと用事で別のとこ行ってたんですね。そしたらうっかり遅刻しそうになって。電車も遅れてて。絶体絶命のピンチで。そしたらライブハウスに居たメンバーから「前のバンドが全組、めちゃくちゃ押しててonettの出番45分押しです」って連絡きて、そのとき俺はとっさに「俺はなんてラッキー“ボーイ”なんだ…」ってつぶやいたんですよ。そのとき今まで意識してなかったんだけど「あ、俺は自分のことボーイだと思ってたんだ」って思いましたね。

——— いや、めちゃくちゃ“ボーイ”感ありますよ

O: さいですか(笑)

——— Twitterいち“ボーイ”感あります

O: Twitterいち!?

——— わたしの観測範囲内では、という意味ですが

O: いやいや俺らの共通のフォロワーにもボーイこじらせちゃってる人たくさんいるでしょう

——— いるかなあ(笑)

O: いないか(笑)

曲やツイートの内容だと「我慢できない自分」ってのが必ずいて、もうお母さんの服の袖つかんで離さないみたいなわがままな自分みたいのが、それは“ボーイ”だなって思います。

ただ幸運なことに職場や人間関係で我慢することがまったくないんでリアルな付き合いをする人にはバカにはみられますがそれほど子供にみられないですね

やっぱ自分って幼稚だと思います?(笑)

——— 幼稚って言葉つかうとまたニュアンスが違いますからね〜

O: ああ

——— いや、なんというか、オネットさんはそういうボーイ性みたいなのを大事にしている感があるんですよね

O: あ、俺自身がそこを守ってると!

——— そうそう。そんなことない?

O: まあ、でも、うーん。なんでもものわかりよく物事をわかりたくないなとは常に思ってますね

——— ああ、なんかそういう感じ、あるかもですね。だから、なんか社会性みたいのが意外って思ったのかも。失礼な話ですが

O: ああ、なるほど。

——— そういうのって相反するじゃないですか。そういうのと自分の中でどう折り合いつけてるのかなって

O: 「学校に通って勉強をすること」と「お金を稼いでご飯を食べること」を生活と思ってないからそこには疑問を持たないのかも。そこにリアリティーがないというか

——— 淡々とこなすかんじですか

O: あまり考えず省エネしてるんでしょうね。みなさんフツーは「なんで学校行って勉強をしなきゃいけないんだろう」とか悩んだり、就職が人生の大きなターニングポイントだと感じたり、または学校や会社のことを夢に見たりするんでしょうけど、そういうのが一切ないんですよね

——— 学校や会社への期待値が低いってことですね。わたしもなんとなくそれはわかるかもしれないですね。仕事は生きるための術として割り切るみたいなふうに考えてました

O: そうですね、でも自分の場合は考えてみれば学校や会社に対して絶対大丈夫っていう油断と安心感があるからこそかもしれないです。この世に絶対はないのに

——— へえ〜!大丈夫って、どういうことですか?乗りきれる、って意味で?

O: うーん、失敗しても守ってくれるだろうっていうか、そもそも失敗しないだろうっていうか。いや、ここは考えてみなきゃわからないな?違うかもしれない。混乱してますね(笑)

でも仕事はたいして重要じゃないって思っててずっとナメてますね。

——— なるほど、でも、割り切ることとか、そういうふうに思いながらもサヴァイヴするために仕事するってことが「大人」であるとも言えますけどね

O: そうとも言えますね。が、やっぱり自分は社会性はないですし大人じゃないですね(笑)。熱を持たないものに対してテキトーにやり過ごすのがうまいんだと思います

あ、あと大人だなって思うことのいちばんに体調管理がありますね。健康を維持すること。これが出来てないから俺はまだ大人になれない

——— これから先大人になろうというご予定はありますか?

O: 気持ちはあります!大人になりたい。つまずくことはあっても、うまくいかなくても。体でわかっていきたいですね。

大人に関すること、あまり良い答えがでなくてすみません…。まだ混乱してるのかも…

——— いえいえ。面白い話きけました!大人とは、はわたしにとっても最近興味あるテーマだったので、話したかったのです

O: へぇ~!まぁこどものままでいたいってピーターパンみたいなオッサンにはなりたくないですね

——— こどものころは、20歳になったら自動的に大人になるものだと思ってましたが、30歳が迫ってきても大人になったと胸を張って言えないのが不思議ですね

O: あの頃、思っていた大人にはまずたどり着けないですね。完璧なんだもん

むぎちゃんはたぶんまわりが大人ばっかだからこどもというか年の離れた妹みたいに思われることも多いと思うけど俺からすりゃ大人というか27才にしてはしっかりして見えますね

↑誰目線(笑)

——— 無駄に耳年増なんですよ…

O: あんまり世の中のことわかったふりしてんじゃねえどぉ~?(笑)

そんなの岡崎京子読んでオザケン聴いて、なんか悟ったフリしてるティーンと変わらねえんだかんな~?

——— ですね(笑)。大人になりたい、というか、精神的に成長したいなって思うんですよね。でも、こういう場合、想定している理想像がパーフェクトだから、どうがんばってもいつまでも「足りない自分」なんだろうな、とか思いますね

 

十代の恋愛の話

——— Twitterでナンパされたことありますか?

O: Twitterですか。ないですね~うん、ないな。

——— ないんですか〜Twitter以外ではありますか?

O: ナンパでしょ?知らない人から声かけられてデートとかするやつでしょ?ないね

あ、高校時代のときに学園祭で他校の女子高生から連絡先もらったことはあります。

——— うお〜〜〜なにそれ!!高まる!!

O: (笑)

——— それは知っている子だったんですか?

O: いえ、でも知り合いの知り合いって感じで。高1のときかな

——— へえ〜一方的に知られてたんですかね?

O: いえ、その学園祭ではじめて見たんだと思います。

——— へ〜!連絡先もらって、どうしたんですか?その後、連絡しました?

O: 連絡しましたね。メールアドレスをもらったんですけど当時はそれを手打ち入力するのがめんどくさくて(文字もハイフンなのかアンダーバーなのかわからない書き方だったので)すぐってわけじゃなくて数日経って連絡しました

——— そうですよね。当時は赤外線でアドレス交換する機能もなかったですよね

あれ?あったかな…

O: 赤外線はあったかも(笑)

——— メールアドレスを手打ち入力する文化がもはやノスタルジーですね

うわ〜いいなあ。デートとかしたんですか?

O: フフ、デートと呼べるほどじゃないですが会って話したりしましたね

——— ふお〜いいですねえ。ジャスコのフードコートですか?

O: なんでやねん(笑)

——— いや〜地方都市の高校生のデートといったらジャスコのフードコートでしょ〜

O: でも地元歩いて川みてスーパーの中に入ってるマクドナルドおごりましたね(笑)。スーパーの中に入ってるマクドナルドで月見バーガーかなんかおごりましたね

——— スーパーの中に入っているマクドナルドもいいですねぇ…

O: やっぱり行動範囲と金銭面に高校生の限界がありまして行くとこはだいたい一緒すね…思い出してきた!マクドナルドのバイトの子に声かけられたこともあります(笑)

——— おお、あるじゃないですか!マクドナルドによって呼び起こされる記憶…

O: いやぁマクドナルドってすごいですね…

——— 「もうすぐ仕事あがるので待っててもらえますか?」的な感じですか?

O: いや、そこはなんか地元が狭いので俺の知り合いとやっぱり知り合いで知り合い経由で連絡が来るんですよね

——— ほえ〜〜

O: 田舎の地元あるあるですね(笑)

——— そんなあるあるわたしの辞書になかった…マックで声かけられたわけじゃないんですね

O: そうですね、正式には。なんかガン見してくる子がいるな~~って思ってたら…。だからま、恐いっちゃ恐いんですよ(笑)

会ってもいないのに名前とか知られちゃうの。高校の制服とか着てくるとそれがその人を知る重要な手がかりにもなってくるわけだから

——— あ〜でもなんかかっこいい男子情報は出回ってましたよね。他校でも。中学の時人気だった他校の男子と高校で一緒になったりして「ああ、アレが噂の…」とかね

O: そうですね、他校の女子もまったく同じでやっぱ駅で見かける美人な子がいるとだいたいまわりが名前とか元彼情報とか知ってるんですよ

——— すごい(笑)元カレ情報まで出回るんですね、こわい!

O: むぎちゃんはナンパされたことあります?あるでしょうね

——— ナンパですか〜。連絡先渡されるみたいなロマンチックなやつはないですね。どちらかというと変質者に分類される系のエンカウントしかないです

O: お!でも、Twitterは?Twitterはあるんじゃない?(興味津々)

——— Twitterはねえ〜どうでしょうね(笑)

O: あるんだ(笑)会いませんかって言われるんですか?

——— や、でもないですね

O: ないのか!

——— まあ、でも、若いころはありましたね(笑)(あるのかい)大学生の時は。今は全然声かけられなくなりましたね。多分Twitterしている若い娘さんは全員そんなもんじゃないでしょうか

O: そういうものなのか!

——— たぶん、生活感漂わせてたり、自撮りあげてたりする女の子はもっと声かかってるんじゃないでしょうか?わたしはそれに比べると全然だったと思います

O: へぇ~じゃ俺がTwitterでフォローしてる女性たちももしかしたら共通のフォロワーから声かけられてるのかもしれませんね

——— それは…わかりません!(笑)

O: やっぱり向こうは付き合いたいって思いがあったんですかね

——— 付き合いたいとかより、ワンチャンあればラッキーくらいに思ってるんじゃないでしょうか

O: ガツガツしてますねぇ~…

(男性フォロワーに向けて)オウ、お前ら!ワンチャンなんて考えずに仕事しろ!大学に行け!それから中身磨けよオラ!

——— まあ、男性ツイッタラーがすべてそうとは限りませんので…軽率なことは言えませんな…

O: そうですね…

——— 連絡先渡してきた女子とはその後なにもなかったんですか?

O: なかったですね、押しが強い子だったのでびっくりして逃げました。

——— へ〜ぐいぐい来たんですか?

O: ぐいどころじゃないですね、もうガッと体つかまれて15才の俺には恐怖でしかなかったです。

——— 15歳の女子がそういうことするんですね…

O: 早熟な子というか、中学のとき大学生の人と付き合ってたんで色々知ってたし寂しかったんでしょう(今考えると中学生と付き合う大学生ってすげえなって思いますね)

——— ぎょえ〜〜!

O: (笑)ドラクエの断末魔みたい

——— 大人な自分をアピールしたかったんでしょうか…

O: そうなんですかね、そういうのは通用しないんで「は?」ってなっちゃいますね…。

——— なんかキャパオーバーな世界です…

O: 私はもう片田舎の純朴な少年だったのでそういうのは後に引きずりましたね、かわいらしい大人しい子が、そういうことになると顔を変えてとびかかってくるみたいな、

——— あ〜、思春期男子にとってはトラウマかもしれませんね。別冊フレンドって感じ…

O: (笑)おぉ、さすが!雑誌で現すのいいですね。僕の中ではジャンプ読んでたのにいきなりヤングマガジンの世界に入れさせられちゃったみたいな感じですね

——— わたしは別マの世界の住人ですので…

O: 別冊マーガレット!(笑)

そんな感じでその子とはもう無理!ってなりましたけど、やっぱりそういう子ってはやく孤独を埋められるものがほしいのか、すぐに違う彼氏ができてましたね

——— 硬派ですなあ。手つないだりとかはしたんです?

O: しましたね

——— へ〜!一緒に帰ったりしたんですか?

O: 他校の子だったんで、でも駅で待ち合わせして遊んだりはしましたよ

——— うわ〜なかなかな青春の1ページじゃないですか…

O: そうなんですかね、自分じゃよくわからないや

——— 肉食女子のトラウマ植え付けられたかもしれないですけど、女子にしてみれば男子の態度にしびれ切らして肉食化するみたいなところありますからね

O: あぁ…それはあるかもしれない!

「恋した彼氏がおもしろくないから 一発やらして 一発孕んで 一発産み落とす」ってやつですね

——— そこまでは言ってないです(笑)

O: (笑)でもたしかに俺は本当に何も知らないつまんない男だったのできっとそうさせてしまったかもな~

——— その女の子にとっては早く大人になりたい、大人みたいな恋愛したいみたいな思いがあったんでしょうね。当時のオネットさんにはそういう恋愛への憧れとか、願望とかはなかったんですか?

O: あったと思います。けど、やっぱり段階とかスピードとか考えちゃいますね。

——— あ〜、もっと段階ふみたかったと

その女の子はそんなに突然その…そんなに過激なことを…

O: いってもそこまで過激じゃないすよ。なんかこれ今でも思ってるから自分手に負えないなって思うんですけど、たとえば女性と付き合ってもデートを3回くらいは最低重ねなきゃ手をつなぐこと以上のことはできないんです。

——— ピュアボーイか!!!純情か!!!!

O: ね、もうけっこう良い年齢なのにねー

照れ臭いんですよね、色々

——— ほえ〜〜〜なんでしょう。準備期間みたいな、心の準備がいるってことですか?

O: 心の準備はいりますね。知っていく覚悟と傷ついてもいい覚悟をしなきゃいけないわけですから。あと情熱の間にいったん休憩じゃないですけど冷静になって慎重になりたいんですよね

——— 冷静と情熱のあいだ…傷ついてもいい覚悟って、かなり慎重派ですね。

O: そうですね、付き合ったからといってオープンにできない心の部分がありますね

———すべてを明け渡さないんですね…そんなことまで考えられないのが恋だなあと思ったりするのですが

O: だとしたらまだ俺は恋をしたことがないのかもしれない!(笑)

——— いえ、わたしがそう思っているだけなので…。わたしはもしかしたら傷つくかもしれないみたいに思ったりするけど、そういうこともどうでもいいと思ってしまいますね…

O: 自分も同じで、そのスピードでしょうね。傷ついてもいいやってなったときGOサインが出ます

——— なるほど…

O: あと、こう言ったらアレなんですけど自意識が高すぎるのも問題なのかもしんないっす。たとえば交際中の女性とくっつきながら愛をささやきあってるとして…笑っちゃうじゃないですかそんなことしてる自分に…(相手の女性には失礼だけど)

——— 愛をささやくんですか(笑)

O: 恋愛に向いてないんすよね。

恋してる自分が恥ずかしくていつも「お前バーローなにしてんだ!英単語の一つでも覚えやがれ」って思っちゃうんですね

——— (笑)でも、ありますよね。恋人と二人でいるときに、客観的な自分がツッコミいれるみたいな。あと、多分、服を着ているまではまだいいんですけど、服を脱いでからはなんかもう滑稽ですよね

O: そうそう!(笑)

むしろ靴下だけはいてる状態とかだと情けなくて涙でてくる…(笑)

——— アハハ!

 

告白なんてできない!?

O: やっぱ告白されると嬉しいですか?

——— 告白されると…まあ好きでもなんでもなかったとしても悪い気はしないですよね

O: たとえば好きな人から告白されるのと、自分が告白して成功するのどっちが嬉しいですか!?

——— 好きな人から告白されたことない!そんなことがこの世にあるんでしょうか?

O: 想像でいいから!

——— 多分めちゃくちゃうれしいですね。自分から告白するよりもうれしいでしょう!

O: そっか~なるほど~。俺もです。や、特に聞いた理由はないんですけどね。

——— 好きな人もまた自分のことを好きだなんてほんとうにそんなことが!?

O: いやいやあるでしょう~。う~ん、めったにないけど(笑)自分はあんまり告白とかできないんですけど、自分から告白して成功したら「おぉ自分の愛情を受け止めてくれた!」っていう嬉しさの他に「俺はこのナオンをオトしたぞ父ちゃん母ちゃんみてっか!?」って邪な満足感みたいのありますね。だから告白して成功するほうが凄いと思う。

——— “告白”ってなんて甘く切ない響きなんでしょうね!

O: 今の大人やティーンももうあんまり告白とかしないのかな

——— ティーンはわからないですね。でも、大人になるとなんとなく“告白”という儀式を踏まえずなんとなく流れで付き合う、みたいなこともあるのかな?わからないですが

O: 30超えてから恋人ができる人って告白を経るんですかね、みなさんどうなんですか!?三十代以上のみなさん!

——— あ〜30代以上だと告白ってしなさそう!イメージですが

O: 俺らイメージばっかりね…

——— 30過ぎると告白して付き合うとかよりも先にセックスしてそう!大人!ただれた関係っぽい!!

O: するってえとなにか?3回以上デートをせずにそこまでいっちまうのかい?ええ!?

——— 大人はね…。出会ってその場で合体ですよ…

O: ひええ!まあでも気持ち的にはそれをはしたない!とか猿どもが!とか思いませんけどね。

じゃあさ、気持ちはあるけど自分から恋人をフるのと、フラれるのどっちが辛い?というか引きずりそう?

——— 気持ちはあるけど自分からフることしたことないな〜。いつも振られるばっかりなので…

O: 想像でいいから!

——— はい(笑)想像します。自分から振るのは、自分の中で気持ちに整理ついてそうだからなあ。振られるのはやはりいつも唐突なので、振られるほうが辛い気がしますね

O: 気持ちはあるけどフるって状況ちゃんと考えた!?

——— こだわるなあ(笑)

O: うざいだろ~!

——— でも「相手をふろう」って思ってる時点でやっぱりその恋終わってると思うので

O: あ~そこまでいったら後悔もない、と!

——— 気持ちがあるっていってもなんか、長く一緒にいたから多少情がうつってるとかそういうことじゃないの

O: 好きで好きでしょうがないんだけど辛い、この人をなんとかして守ってあげたかったけど、なんかもう自分がダメになりそうだ、、みたいな

——— 共倒れしそうだから別れるみたいなことですかね

O: うん、好きという気持ちとはまた違ったものかもしれないですね

——— そうなんですよね〜付き合っていくうちに「好き」って気持ちは変質するものですよね…

O: それですね。ちなみに俺はフるほうが引きずる…TOKIOに『フラれて元気』って曲があるけどフラれたほうが悔しさとか怒りとか色んな感情が混ざって後に残らない

——— “好きで好きでしょうがないんだけど辛い、この人をなんとかして守ってあげたかったけど、なんかもう自分がダメになりそうだ、、みたいな”

こういう恋をしたことがないかもしれない…でもわたしと付き合った人にこういうふうに思われていたかもしれない、と思いました…ってそれは思い上がりすぎかもしれないが!

O: むぎちゃんって付き合うとそんなやべい女になるの?(笑)

——— いやあハハハ、自分ではわからないです!でも付き合った後に「思ってたのと違った」みたいに言われることはありますね(爆死)

O: (笑)どんまい!

——— 振られたほうが、相手のことを嫌いになれるからいいかもですね!

O: そうそう!フるとだいたいは自意識過剰だけど罪悪感だとかむなしさとか後悔とかハンパないんすよ。むしろフッた後にすぐにそのコに彼氏が出来たらあのアマ、キープがいやがったのか…って怒りはあれど罪悪感は薄れますね

——— そうなんですね。

O: 長く付き合えば付き合うほどフるのって勇気がいるし辛いと思いますね

——— そうでしょうね〜ふるなら早め早めにお願いしますって感じしますね。振られる側としても

O: ねー。

そんでなべむぎはさー、その「思ってたのと違った」って言われた彼のことはどうやって忘れたのよ?

——— 次の恋で忘れましたかね

O: あ、上書き…

——— です!めっちゃ上書き保存タイプです

O: じゃあ次いつするかわからない恋がやってくるまではずっと辛いすね

——— あ〜、でも今は元カレのことを思い出して辛くなるとかはないですね。失恋をしすぎて失恋への耐性がついた気がします

O: 麻痺してきたのか、いや精神的に強くなったんですね

——— 生きるための学習能力ですね。孤独がつらいことはありますが昔の彼氏のことを恋しく思うことまずないですね

O: へぇ~

——— もう好きでもなんでもないですし。離れるといやなところばっかり見えてきますね

O: うん~

——— やっぱりふられると相手のことを嫌いになれるのでいいですね!

O: (笑)そうです!そうなんです!

——— しょせんわたしを振った男だよ…別れてよかった〜って気持ちしかないですね(笑)。まあもちろん楽しかったなあって思い出もありますけど。ただの思い出ですね。

O: わかります。でも思い出は今でもちょっと好きかな。相手のことは全然好きじゃないんだけど

——— オネッツさんは振られるよりも自分が振ることのほうが多いんですか?

O: 俺はちょうど同じくらいですかね、フるのもフラれるのも

 

また音楽の話へ

——— 歌詞っていつもどうやって作ってるんですか?

O: まずオネットの曲はメロディーが先行していることのほうが多いので、歌詞はどうしてもメロディーに合うものをって考えちゃいますね。

パターンA

①メロディーをつくる②テーマを決める③それに沿った歌詞を書く(けれども意味にとらわれすぎてて歌ってて気持ちよくないフレーズは使わない)ってパターンと

パターンB

①メロディーをつくる(その段階で同時にフレーズも出てくることもある)②響きは良いけどそれだけでは意味不明なフレーズをたくさん考える③くっつけて最後にそれがテーマになる

って2パターンが多いですね

——— へえ〜

O: オネットでいちばん重要なのは歌詞なので歌詞づくりはいつも時間かけますね

——— いや、オネットさんの曲の歌詞いいなあっていつも思ってるので。気になったのです

O: うわーい!歌詞ほめられるのいちばん嬉しいです

——— 意味不明なフレーズで最後テーマを考えるってかなり変則的な感じするから面白いですね

O: そのパターンの曲って得も知れぬ感動がありますよ!あぁ、俺ってこんなこと思ってたのかって錯覚しますし(笑)

——— シュルレアリスムの自動筆記みたいな、潜在意識にあるものがあぶりだされるのかもしれませんね!

O: それですね!例を挙げますと『彼氏になってよ』という曲の歌詞は前者のパターンですね

O: これは自分で限定しちゃうと本当はいけないんですがいわゆる同性愛の曲なんですね。でもLGBTそれ以外のすべての普遍的な恋愛に通用するように歌詞に12色以上の様々な「色」を忍ばせてします。

O: ↑これもテーマが先ですね。これは実際にTwitterであった自分が飛び降り自殺する様子を生配信した女子中学生のことをテーマに書いてます。

—— なるほど、この二曲ともテーマはっきりしてますもんね

O: そうです。はっきり言って書こうと努力して書いたのがこの二曲です。

O: この『そ知らぬfaceして』や『死んでる場合じゃない!』『夢に生きてる』などは後者で、意味不明なフレーズの羅列が曲に意味を与えてくれたんですね。いやはや、

“シュルレアリスムの自動筆記みたいな、潜在意識にあるものがあぶりだされるのかもしれませんね!”

ってすごい良い言葉ですね。しっくりくる

——— 意味不明なフレーズでも、すべて自分から出てきたものだから、なんらかの文脈でつながっていて、一緒の曲に入れてしまってもうまく溶けこんでくれるのかもしれませんね

O: うん、無意識レベルのあるあるが意味不明なフレーズとなってつながったときに意味を持つ、こうなったときが曲作りの行程でいちばん楽しいですね

——— 『そ知らぬfaceして』の歌詞もめちゃくちゃにいい〜〜です!!。オネットさんの歌詞でところどころ英語になってるの好きなんですよね

O: おぉ~嬉しい~!あれは完全に桑田佳祐の影響ですね。日本語だとストレートになっちゃうところを唐突に英語にすれば気持ちいい音になるし意味がいったんふわっとする。英語の意味を考えたときに感動する、といった感じですね。

——— 桑田佳祐!なるほど!気持ちいいんですよね。音としても、意味としても

O: そうなんですよ。『いとしのエリー』の歌詞なんか額縁に入れて壁に飾りたいくらい好きですね。かっこいいですし

——— あと槇原敬之の歌詞にも影響を受けたって前おっしゃってましたね

O: マッキーにも多大な影響うけてますね~なんですかあれは!

——— 情景描写とか、ちょっと抽象的な詩的な言葉からはじまってサビでストレートにメッセージを伝えるっていうの。『彼氏になってよ』はまさにそれですね

O: おっしゃるとおりですね。本当に。まったくそのとおりです。まあ青学行って中退してるミュージシャンの歌詞はほとんど好きですね、山下達郎とかドラゴンアッシュのkjとか

——— 青学行って中退してるミュージシャンというジャンル…

オネットさんの手の内明かしすぎちゃいましたね!?

O: そんなことないです。俺はこれからもっと飛躍しますよ!

——— ですね!まだこんなもんじゃないですもんね

O: そうです!でも最近ちょっと悩んでて。むぎちゃんはたとえば漫画や文章のプロットを考えるときいつも携帯のテキストメモみたいなところで考えるんですか?それとも大学ノートやメモ帳に書いてます?

——— あー、文章だったらパソコンと携帯で同期してるEvernoteにメモしておくこと多いですね。漫画だったら絵もセットでメモしたいので紙のノートにペンで描いています。

O: なるほど。俺は昔、紙に書いてたんですけど最近めんどくさくて携帯にメモることにして、でもそれから良い歌詞をひねり出しずらくなってきたんですよね

——— へ〜。なんだろう、さっきの自動筆記の話じゃないけど、言葉ってそういう、身体性みたいなものと結びつきあるのかもしれません。動作が違うと出てくる言葉も違うかも

O: そう、ひねり出しずらくなってるのはまさにさっきの後者の作曲パターンの場合で、自己解決になっちゃうんですけど絵と同じで意味不明なフレーズをくっつけるときに携帯メモに箇条書きしてると自由さがないんですよね。

でも紙ならくっつけたいフレーズがあったとして伊集院家のホワイトボード教育論じゃないけど、そのフレーズになぜそのフレーズがくっつくのか、って矢印やメモを描きながらつくれるからなんですよね。

日本語さっきからおかしいんですけどなんか都合の良いように解釈してください

——— いえいえ、伝わってます。紙は感覚的に書けるんですよね

O: そう!それです!

——— あと昔書いたことをパラパラ見返して参照しやすい

O: そうですね!たしかに。視界におさまりやすいですしね。携帯はスクロールなり拡大なりしなきゃいけないから。あー、紙に書こう…歌詞

——— ですね。WEBもそうですけど、そういうデジタルの弱点は、探しているものしかみつからないってとこだと思うんですよね。紙のメモは、ノイズも多いんですけど、それが良かったりしますよね。「あ、こんなのもあったな」って

O: あ~なるほど。それはたしかにありますね!!

——— ね!

O: アナタやっぱりすごいね…

——— なんですか!(笑)

O: 頭が…良い!←超バカっぽい

——— やめてください!(笑)紙にいろいろ書いてこれからもいい歌詞生み出して下さい!

O: はい!先生ありがとうございました。今日たくさん勉強になりました。これからも頑張ります。

——— がんばりたまへ。あーなんかいい話いっぱいできましたね。大満足です

O: 俺もです。どこ使っても読み応えありそうな気がします。

——— はい、ほんとうに!

では、長々とお話ししてしまいましたが(なんと今回初の2日に分けての収録でした…)オネットさん、ほんとうにありがとうございました。

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