見知らぬ音楽に出会う – Gobby


見知らぬ音楽に出会う、今回は「Gobby」さんです。まあ見て聴いて頂ければと。

海、長髪の女性、スローモーションにゆるやかに絡みつくヒップホップベースのエキゾチックブロークン・エクスペリメンタル・ダブレゲエというか…ブロークンな感じがとっても心地良い。

 

流行りと、それ以外

どうも音楽っていうのは、まあビジネスでもある訳なのでどうしても流行りの傾向という大きな波に分類化されていくきらいがあって、何を聴いてもまたこういう感じのか~ってなるのは仕方がないとしても、ずっと聴いてると辟易しがちです。こないだからdiploが好きになったのでEDM、アメリカのヒットチャート聴いてるんですけど段々と「ああこれはアレ系だわ」ってなって純粋に聴けなくなり結局同じ曲ばっかり聴きながら「なんかこうもっと新しいのないかな」ってなる。

かといって複数のジャンルを混ぜたみたいなクロスオーバー的な作品とかってどうもきちんと混ざり合えてなくて聴いてて辛いみたいな、どっちつかずっていうか「しっくり感」がなくてキツイみたいのもあるし、そうなるとなんか普段聞かない辺境の音楽聴いたりして、いやこれはこれで小難しいわ..ってなったりじゃあ南米のワールドミュージックなんて聴こうものなら最初はいいけど、これ古典だわ..ってなって心が満たされない。

 

しっくりくる「新しさ」

まあ「そんなのお前の都合じゃん」ってなる訳なんですが、そんな私が色々経てたどり着いたのがこのGobbyさんなんです。変遷はざっくり記述するとアメリカEDM、ドイツニューウェーブ、日本70sファンク、80s歌謡、イタロディスコ、オーセンティックスカ、80sアメリカポップ、イギリスダブステップ、シンセポップ、エレクトロポップ…

この辺で「もう生音っぽいのとそうじゃないのどっちが自分が好きなのかちゃんと見つめ直そう」ってなりまして、たとえseapunkだとしても生音じゃない方が好みだなってなりました。かと言って、男性が作るエレクトロニックなサウンドってカクカク硬質だと思うんですね(例:AUTOKRATZ)、ああいうデジタルなカチっとした音好きだったんですけど、じゃあdaft punkとの差はっていうとやっぱ音の輪郭が丸みを帯びてるかどうかって所で…じゃあグライムスはどうかってなると、どうにも「ドリーミー過ぎ」。曖昧なんですよね、こう..こっちの心もっとがっつりもってっていいのにアーティスト側だけで完結しててこっち蚊帳の外みたいな。

そんでじゃあゆるいインディーシンセポップかなってなってそうなるとKitsunéのコンピかなっていってまあLCD Soundsystemも浮かんだので両方で追ったら出会った、というのが今回のなりゆきでございます。

 

中性的な「ゆるさ」

ここらでネタバレになりますけど上記のPVご覧になられましたでしょうか。長髪の女性と思ってたのはひげの男性で、しかもがっつり目を見開いてこっちを見てくるっていうエンディングなんですが「バカじゃないの笑」ってなりました。なんなんだよ笑っていう。そして「いいなァ」と。

肝心のサウンドの方なんですが、まあヒップホップなドラムパターンって男性的ですがそれに乗っかってる音がキラキラキラ…とかかわいいのに、それを中和するようなオリエンタルなかんこんかんって乾いた音がちりばめられて、なんか音の切れっぱしみたいな、イレギュラー的に発生したっぽいデジタル音が散らかってるっていう。すごい無駄なんじゃないのこれって音なのにきっとこれがなかったらさみしい感じになりそうで、それはもうセンスだな、っていう。ちなみのこのGobbyさんこんなのもある。

背景の太極拳やってるおばちゃんたちが自然とスローモーション的エフェクト醸し出してるし、それ背負ってなんか囁いてるっていうそれだけの短いPVなんだけど、感想は「なんなんだよ笑」。だからなんだよ笑っていう。何言ってるのか分かんないけどきっと大した事言ってないと思う。いや、あんまり言いたくないけどこれアートなんじゃないのっていう。嫌いじゃない。ここには野心が無い。いや計算されて作られてるんだと思うけど、いやみが無い。やっぱ「コイツいいやつそう」っていうのって大事だなと思う訳でして。

 

んでこの人だれなの

あんまり日本語の情報が無いんですが最近アルバムをDFAレコードからリリースした、と(ここに載ってます)。

前はDJやったり、ファインアート、ローアート(ローアートってなんですかね)、あと中華料理をグローバルにってあるけど、グローバルに中華料理やってたってなんだ、っていう。あとUNO NYCっていうレーベルからもリリースしてたとか。色々曲がネットに転がってるけど結構実験的で正直聞くに堪えない(実験的過ぎ)。あとはああやっぱイイナっていうのがカセットでもリリースしてる所ですかね。

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出会わなかったかもしれない可能性

今回運良くこのお方に、こういうのが聴きたいな、ってタイミングで出会えて良かった訳なんですけど、結構色々聴き比べて自分の心の声とも対話してまだ見つからないな~今回はダメかな~って感じで探してようやく会えたみたいな、釣り+ランダム要素のある話なんだけど普通に考えたら出会わなかった可能性の方が大きい。

要するに自分の好み(これまでの経験からの傾向)をまず理解した上で、そういうっぽい音を出してそうなレーベルの曲でまとまってるyoutubeのリストみたいのを見っけて上から辿って行くっていう人力作業なんですが、この辺って将来的にネットがもっと自動的におすすめしてくれるようになるんですかね?

googleがbig queryだっつって集めたデータを大規模データ分析するって話ですけど分析の後それを落とし込んでいくのは誰かって言ったらコンピュータかもしれないし、そこはやっぱり人間なんじゃないかとも思うんですよね。集めたデータ自体は過去のものでそこから未来を予見できたとしても、ヒトの心ってそんなに単純なのかなというか。ある程度のイレギュラーを考慮しないと読み切れないんじゃないかとも思う訳でして。

出会う必然性

ちょっと話がズレますけど、そういう予見みたいなのって好きこそものの上手なれって事で本当に好きな人から発信されるべきだと思うんですね。いや好き過ぎてマニアックになる事もあるけど、中性的な感性みたいな活かしどころってその辺かなと。そういう人が自然とキュレーションできる環境がネットにあったら未来は明るいなとちらっと思う訳でして。

つまりはランダムな偶然性がやや必然の方に化けるというか..そういう時にBGMがあるとしたらいけいけどんどんな派手なEDMでもなければ、マニアックで好きな人以外は聞かない音楽でもなければ、やっぱこのGobbyさんの音楽みたいなちょっとまぬけな自然体「っぽい」感じなんじゃないかなと思う訳ですかなりこじつけではありますが..

ではおあとがよろしいようで..