こんな映画をみた 『シコふんじゃった。』


こんにちは。わたしは定額映像配信サービスに入会していて、月1000円ほど払っています。入った当初は張り切って色々見ていたのですが、数ヶ月するとあまり観なくなってきますね。映画ってやっぱ時間とられるし…。それに、観れる作品が限られているし…。◯uluで観られるものって、なんか、めちゃくちゃ観たい!というものよりはまあお金払うほどじゃないけどそのうち観ようかな…ってくらいの温度感のものが多いんですよね。そもそもめちゃくちゃ観たいやつは既に観ていますし…。

そういうわけで最近全然観ていなかったのですが、月額費用ももったいないので改めて色々観ていってここで感想を書いていこうと思います。

題して、「気が向いたときに観れたら観るよ」型映画評論コーナ〜〜〜〜。

今回観たのは周防正行監督の『シコふんじゃった。』(1992、日本)でございます。

 

この連載のコンセプトにピッタリじゃないですか?大ヒットしていて周防正行の代表作として挙げられる作品でありながらも、なかなか今さら観ないですよね。

これの前の『ファンシイダンス』も既にHuluで観ており、周防正行作品をまともに観たのがこれがはじめてで、なるほどと思い、こちらも観てみました。

構造としては『ファンシイダンス』も『シコふんじゃった。』も同じですよね。イマドキの若者が日本の伝統文化に触れ、再発見するという。そして恐らく、近作『舞妓はレディ』も同じものと思われます。

『シコふんじゃった。』はさらに弱小相撲部の再興という物語も背負っています。主人公は廃部寸前の相撲部に嫌々ながら入部し、部員集めからスタート。なるほど、矢口史靖の2001年の映画、『ウォーターボーイズ』の元ネタはこれなのですね。竹中直人も出ているし。

また、特に前半が顕著ですが、台詞のテンポ感や画面構成など、小津安二郎的な文法を強く意識していることが考えられます。特に顧問を演じる柄本明と美人マネージャーのキャラと演技ですね。この二者が特に作品中「日本の伝統、相撲」を一番理解し愛している人物であるからこそ古式ゆかしい日本の姿=小津映画的人物という役割を託されているのでしょうか。(あと、竹中直人の役名である青木富夫という名前は小津作品に出演していた役者からとられているものらしいですね)

つまり、本木雅弘演じるイマドキ主人公が古臭い日本の伝統であるところの相撲に挑戦していく様と、若き映画監督、周防正行が日本映画の象徴的な存在である小津安二郎に自分なりに挑戦していく様を重ねあわせて観ることができる映画作品でもあるわけです。

 

それにしても若き本木雅弘がかわいいのかっこいいのなんのって。『ファンシイダンス』の袈裟姿も美しかったですが。

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で、まあこの映画はつまりどういうことかっていうと「境界を超えたところでみえてくる普遍的な美」について描いているのだと思います。

土俵は境界である。土俵に入る者は、男女や、信じる神様、生まれた国とかいった境界を超える。

境界や秩序を超えたところにある景色、そこにしかない美。道場に入る際には靴を脱いで揃えるような日本的奥ゆかしい美人マネージャーは、最後その土俵に足を踏み入れ、シコを踏む。

というひ・じょーーーーにわかりやすい映画でしたね。ふむふむ〜構造〜。と思いながら観ていたんですが不思議と涙してしまうのでほんとに映画って面白いものだなと思いました。