こんな映画をみた『Call Me By Your Name(君の名前で僕を呼んで)』


 

こんにちは、ロロイです。

先日ふとした事からこの映画を目にしたのですが、面白いかどうかっていうのとは違う余韻が感ぜられたのでレポ致します。

2017年制作のイタリア系の映画で、今月末くらいから上映されるらしいので、私が見たのは英語のやつでした。なのでなんとなく演技とかからこんな会話してるんだろうな~レベルの理解で以下色々言っていきますので、もしかしたらネタバレになるかもしれないし、私の理解がズレてる可能性もあるのでご留意頂ければと思います。(ググると幾らでも正確な詳細情報出てきます)

 

一応トレイラーがあるんですが、私が見た本編の魅力を1/70くらいに薄めた感じがします。本編はもっと濃い

 

 

この細い少年のオヤジさんが学者で、イタリアかフランスの避暑地にいるんですが、そこに学者の関係者(弟子みたいなの)のアメリカ人がしばらく滞在する、っていうのが始まりです。

んで、一緒に、その他家族や少年の友達らへんとか交えて湖やパーティで遊んだりするうちにアメリカ人に少年が心惹かれていって..みたいな。

 

なんも情報が無いまま「ちょろっと見てつまらなかったらやめよう」って見始めたのですが、まず制作会社?のロゴがバッて出て、あかっこよさげやん、って掴まれました。ちなみにこれ。

あと冒頭、色んな彫刻と、それから映画タイトルっぽい手書きのスタイルで出演者の名前とかがばんばん出ていくんですが、この字の書き方が特徴的でかっこいいのでまず飽きずに見てられました。真似したい。

それから映画全体の事なんですが、とにかく音楽がかなり効果的に散りばめられていて、効果音とかそういうのじゃなくて、ストーリーの心情を代弁するようなメッセージ性が強く感じられます。サントラほしいなって思う。

 

 

物語はわりとパンパン場面が変わって進んでいきます。

え、このシーンこれで終わりなん、みたいのが多い。

断片(あえて)的で、全てを語らない。

あるいはその語らない事によるシーンの意味の持たせ方が暗喩的で。

全体的に、背景が80年代っていうのもあるかもだけど、室内でも割りと暗くてよく見えない、影が多いシーンが多いんだけど、それが更にデリケートな心情のうつろいをさりげなく覆っている。

BGMのピアノのこもった音ともリンクして、アンニュイで映像としてもまったくストレスなく楽しめる。

 

 

避暑地ってだけあって、ある意味片田舎って感じだけど、建物は歴史的っぽいし沼とか海とか色んなとこが「めちゃくちゃ行ってみたい」って感じで、のどかというより少し寂しげなのがまた良い。

トーマの心臓(萩尾望都)を想起っていうか、萩尾さんの描く18世紀?とかのヨーロッパのギムナジウムの世界観的な。

途中、野外で音楽流してみんなで飲んだり踊ったりっていうパーティのシーンがあるんですが、これもまた開放的すぎてすっごい気持ち良さそうだし、音楽はドリーミーでとにかくまったり溶けてしまいそうなゆるさがある。タバコもそこらで平気で吸うし、キスとかボディタッチもとても自然に行われるんだけどことごとくリッチで艶かしい

 

主人公の少年は彼女がいるんだけど、アメリカ人が妙に気になって、そんで最終的にキスとかしちゃうんですね。

彼が履いてた水着を顔に当てて自慰をしかけたり。

自分の秘密の場所に彼を連れて行ったり、彼が地元の解放的な女の子と良い感じになってるのをじっとり眺めてるシーンなんかすごく良い。

 

ほんで彼女とも初体験みたいなのをするんだけど、うまくいかなかったのを彼女はからっとアハハと笑う訳なんですが主人公はナイーブなもんで、もちろんどっちが正しいとかは置いておいて、この思春期のナイーブさにはもっと儚いムードが合う=アメリカ人との性を越えた恋愛関係、みたいな、こうして私が文字で書いてると「はあ?笑」って感じになっちゃうんだけど、そういう魂の欲求に基づくセンシティブな交流みたいのが描かれてゆきます。

 

 

めっさ青春映画って感じ。

ただ一般的なそれとは違う、妙な生々しさがある。もどかしくて、ちょっとした弾みに衝動的にコトが進んでいってしまうような。

どうしたいの?って言われても具体的にうまくいえないけど、ただどうにかなってしまいそうな気持ちがあるっていう。

しかもそれが男性同士っていうのもまあまあ珍しい気がする(私はあまり映画みないので分からないけど今まで見た事ない)。

 

といってもゲイって感じではない。ゲイっていうか性的じゃない。ロマンティック寄りなので、要するに性欲が出発点ではなくて欠けたものを追い求めるような。

憧憬に近いのかな?とも思ったんですが、というのも相手のアメリカ人は精悍で知性的で優しくて..って感じで、かたや少年はなよっと文化的で子どもっぽい。

でも憧れではやっぱりなくて、キスを迫るシーンあたりでは、何か認めて欲しいというか、奪って欲しいというかそういう..

で、ラストシーンで暖炉を涙を浮かべながら見つめる少年があるのですが、そこには「あたたかみを欲していた」感が垣間見えまして、つまり父性の欠如、あるいは不在が背景にあるのかなあ、と。

 

 

って感じでして。

ストーリーをくどくど並べてしまいましたが、基本的に映画っていうより映像作品って感じ。

っていうか映画のイメージがついハリウッド的なものに無意識になってしまっている私ですが、世界には色んなタイプのあるのかもしれないなと思った次第です。

起承転結がくっきりしていない

そして伏線の張り方とかも全然はっきりしていない

でもまとまってるし、アナログ的な作り方に思える。A→B→Cって感じじゃない。もっと水の流れっぽい。

あとやっぱり豊富な自然の美しさと、水の中から欠けた彫刻が水揚げされるシーンがやけに印象的。

 

とかなんやかんや、たくさんあれも良かったこれも良かったって言える映画でした。

普段、映画ってあんまり面白くなくない?って思ってる私ですが(そんなに見ていないので傲慢にもほどがある)、これは面白かった。いや面白かったって言い方はしっくりこなくて..

どこか身につまされるというか、なんかリアルで、まったくもってストーリーや舞台と現実の私に関連性はないのに、すごく感情移入できてしまったという不思議な体験でもありました。

 

んで、いやー面白かったってググってみたらwikipediaに以下がありまして、お~そうなん!?っていう。

しかし映画は、原作の物語の途中までしか描かれていない。グァダニーノは、この作品を『恋人までの距離』のような構成で続編を作ることを考えており[6]、幾つかの重要なシーンは、DVDに入れず続編に使うと明言している[7]

 

見てみたいような、見たくないような..っていうのもやっぱ終わり方そこそこ良い感じだったので..

って事で、チャオ!(←映画の中でみんなチャオってすごい言ってる)

 


 

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